20221030日 ウェルカムサンデー 「賑わいの神様」 ペトロの手紙一1章2節

三位一体という、キリスト教神学の神学用語を、今朝のウェルカムサンデーのテーマに掲げました。ウェルカムサンデーのような礼拝で、あまり三位一体という、一般的に初心者には難しい神学的概念は、難解ですので取りあげないのが常だと思いますが、私は、これは難しいとは思いませんし、三位一体なる神は、他の神々にはない、キリスト教独自の神様の姿であられますので、むしろ今日のウェルカムサンデーのような、キリスト教信仰を初めての方の紹介するような時にこそ、これは扱われるべきテーマだと思います。

 

 今回のウェルカムサンデーの案内チラシは、何だか和食レストランの秋の賑わい御膳のようなチラシを作ってしまったのですが、三位一体の神様は、実際にこのキリスト教の、聖書の神様は、一人で、ただ単独で存在しておられる方ではなく、三位一体、英語ではトリニティと言われますが、父なる神、イエス・キリスト、そして聖霊なる神によって、三角形を作っておられるような神様ですので、この神様自体、孤独な神様ではなく、その意味でとても賑やかな神様です。

 

 先程お読みいたしました、聖書のペトロの手紙一12節には、この三位一体の神様が言い表されています。

1:2 あなたがたは、父である神があらかじめ立てられた御計画に基づいて、によって聖なる者とされ、イエス・キリストに従い、また、その血を注ぎかけていただくために選ばれたのです。恵みと平和が、あなたがたにますます豊かに与えられるように。」

 三位一体とは、ただ、アベノミクスの三本の矢、三位一体の改革といわれたような、金融緩和と増税と社会保障の簡素化で、かえって経済を悪くしてしまったような、三つのことをただ同時にやるというような、そんなお粗末なものではありません。

 そして三位一体の神様は、ただ父・御子イエス・聖霊でトライアングルになって、ワイワイ賑やかに空中に浮遊しているだけの神様ではありません。三位一体の神様には、三つ巴になりながらも一体となって、力強く推し進めていこうとする目的があります。その神様の、しっかりとしたゴールがあるのです。

 

 それは何か?それは、先程のペトロの手紙一12節の出だしに書いてあります。そこには、「あなたがたは」という言葉が語られています。つまり、この私たち、このあなたがたが、神様のゴールであり、到達点なのです。

 この御言葉が語るには、父である神があらかじめ立てられた御計画に基づいて、次に、によって聖なる者とされ、イエス・キリストに従い、さらに、イエス・キリストの血を注ぎかけていただくために、三位一体の神様から、あなたがたは選ばれた。つまり、あなたはそのための目標とされた。ターゲットに選ばれた、ということです。三位一体の神様は、天国でボーっとしておられるのでは決してなく、その神様には、確かな動きがあり、連係プレーがあり、それは、「あなた」を目指して為されているのです。

 

 そして、今朝、特に皆様にイメージしていただきたいことは、三位一体の神様が、三角形ではなくて、天から、まっすぐに、一直線になって、あなたの心に飛び込んで来てくださっているという現実です。これは、陸上競技の三段跳びのようでもあり、またこれは、宇宙へ飛んでいくロケットの逆バージョンであるとも言えます。ロケットは、重力に抗って宇宙に飛び出すために、ブースターと呼ばれる巨大なジェットエンジンを搭載しています。その結果、ロケットは、20階建てマンションに相当するぐらいの高さで発射台に立ちます。そして宇宙に昇っていくたびに、一つ二つとブースターを切り離して、最後は先端の小さな部分が宇宙に到達します。そして神様があなたに向かってしていることは、ロケットを、天から地上へと逆方向に飛ばすようなものです。神様は、三位一体の神様によって、丁度渡辺さんが語ってくださった順番で、父なる神様、そして今から2000年前に地球の裏側に生まれて十字架にかかられた主イエス・キリスト、さらに、そのイエス・キリストが、一人一人の心の内側に送ってくださるキリストの霊である聖霊なる神様によって、一重、二重、三重の仕方で、たたみかけるように天からあなたをめがけて降りて来て、全力であなたのところに、ホップ、ステップ、ジャンプと、駆け寄って、飛び込んで来てくださるのです。

 

私はよく、物事を考え深めていくときに、もしこれがなかったらどうなるか?ということを考えます。そしてその物事がない世界を想像し、そこでは世界がどうなるのか?そして自分がどういう状況になるのかを考えます。

 そういう風にして今朝私たちが考えるべきは、もし、神様が、三位一体の神様でなかったとしたら、私たちはどうなるのかということです。実際、どうなるでしょうか?もし神様が三位一体の神様でなかったら。その場合、天国におられる神様は、ホップもステップもジャンプもしません。そしてそのままずっと天国で鎮座していることになります。逆ロケットで、神様が私たちのところに降りて来て、あなたに駆け寄ってきてくださらないとしたらどうなるか?その時には、あなたが神様めがけて、昇っていなかなければならない。三位一体の神ではない、他の宗教は基本的に皆そういう考え方になります。私たちの方が、神様のもとへと行かなければならない、サウジアラビアのメッカに行かなければならない、お遍路に行かなければならない。そうやって努力して、修行をして、悟りを開いて、向上して、私たちが神様に向かって上昇していかなければ、あるいは法外な献金を積み上げなければ、神様には会えない。救われず、天国に行けない。神様が、三位一体の神様ではない場合、そうなります。

 

 でも、三位一体の神ならどうか?三位一体の神様は、向こうから、あなためがけて来てくださる。天国からこちらへ降りて来てくださるのです。そしてそれは何ゆえか?なぜ神様はそんなことをわざわざなさるのか?その動機は、愛です。私たちも、好きな人、愛している人には会いたいし、触れ合いたいのが自然です。そしてこの神様は、あなたのことを、ただ天国から見下ろしているだけでは、耐えられず、我慢できないのです。あなたを愛しているから。だからあなたのもっともっと近くに届きたい。信じられないかもしれないですが、これが、聖書に語られている、キリスト教の、三位一体の神様の偽りなき心の内です。

 そしてこのことは、私たちにとっても、素直に、とても嬉しいことだと思うのです。ただ父である神がいて、大きな宇宙よりも外にある天国におられて、そこから、神が天体や森羅万象を治め、私たち皆の命と人生を導かれる。なるほどそうかもしれませんけれども、それでは私たちも物足りませんし、そんな空気のような、実体の掴めないような、空に浮かぶ雲のような神様では、まさにそれは霧を掴むようなもので、よく分からない。そしてそれでは、神様の方も物足りないのです。

 そこで、クリスマスが起こりました。季節は早くも、あと一か月もすればクリスマスです。クリスマスの何が嬉しいのでしょうか?クリスマスは、その日が、神様が、イエス・キリストというお方において、私たちと同じ人間になってくださった日だから嬉しいのです。そのクリスマスにおいて、神様は自ら天から降り、地上に降り立ってくださいました。神様の方からの、素晴らしい歩み寄りです。

けれども、それでもイエス・キリストはまだ、2000年前の地球の裏側に生まれた方です。それでもまだ、この、今朝の私たちには、届かないし、私たちには遠いのです。そこで主イエス・キリストは、御自分の霊を、聖霊なる神を送ってくださいました。霊は、この私たちの物理的な二次元三次元という次元に縛られない、霊ですから物理的な形を持たない、その意味では四次元的な神であられて、この時と場所に縛られないで、それを超える力を持つ霊なる神様が、2000年前に地球の裏側に生きた主イエス・キリストと私たちとの、時の隔たりと、場所的な隔たりを超えて働いて、それを埋めてくださるのです。

 ですから、聖地巡礼は必要ありません。三位一体の神様は、向こうから走り寄ってきてくださいますので、神様は、2022年の日本にも、この板宿にも、もちろん皆様が家で一人神様を思う時にも、そこにも届いて、渡辺さんがこの神様と出会ったのと同じように、あなたにも届いて、あなたを、三位一体の神様に結び付けてくださいます。

 

 空を見上げる時、この空の向こうに神様がいるのかなあ、ということではなくて、彗星が宇宙から飛び込んでくるように、この三位一体の神様は、とても賑やかに、力強くしっかりと私たちに向かってきてくださって、私たちを、父なる神の置いて大空の上から、イエス・キリストによって正面から、そして聖霊なる神によって、私たちの内側から、三方向から、三段階で、しっかりとあなたを包んでくださる神様なのです。